ACT・1

  スミ子はいつも思っている。


 スミ子   未来は、すっごくバラ色だ。


  スミ子の前に、男が立っている。
  男は、びっくりした様子で立ちすくんでいる。
  男は、手に包丁を持っている。
  スミ子も驚いていて、何を言ったらいいのかわからない。


  スミ子は今、自宅に帰って来たところだ。
  学校帰りだろうか、制服を着ている。
  帰ってきて、店先とつながっている、居間にあがってきた。
  そこに、見知らぬ男がいた。
  片手に包丁。
  片手に金めのもの。
  つまり、強盗に入ったところに、スミ子が帰ってきてしまった。


 スミ子   ………誰?
 強盗    ……えっと。……や、やぁ。こんにちは。
 スミ子   誰?
 強盗    えっと……あ、こ、この家の人?
 スミ子   そう、なんだけど。………それ………。


  スミ子は包丁を指さす。


 強盗    え?
 スミ子   …包丁。
 強盗    えっ、あ、う、うん。
 スミ子   そっち。
 強盗    …あ。
 スミ子   あたしの貯金箱。
 強盗    えっ。
 スミ子   お母さんの真珠のネックレス。
 強盗    あっ。
 スミ子   通帳と印鑑。
 強盗    う、うん。
 スミ子   …………強盗?
 強盗    えーっと…そんなつもりなかってんけど、そう、かな。
 スミ子   ………。

  意味が分からない。

 スミ子   未来は、すごく………